硝酸イオンの健康効果
私は以前、農林水産省に一般社団法人全国肥料商連合会(全肥商連)を介して、硝酸イオンについて関連する『農業技術の基本指針』の改正を申し込んだことがある。すると農水省は迅速に対応してくれ、硝酸イオンに関する記述を変えてくれた。このことは本文(12 ページ)にも太字で記載した「現在は有効な効果も見つかっており」の部分で、農水省も認めてくれたのだ。
世界的に見ても、硝酸イオンはもちろん各種発見が多くあり、本文に詳しく記載しているので精読してもらえたらと思う。
有機農業の分野では、世界的にも食物に硝酸イオンが多く含まれると食味が悪くなり、赤ちゃんが亡くなることもあるため、硝酸含有率の低い栽培方法がよいとされていることまでを、筆者である小生が変えなさいとは発言しない。ただ学問上、体によい働きをする成分でもあると世界的にもいわれている事実も知っておいて欲しく、ここに紹介をした。
なお、農水省など公的機関には団体として申請すると受理されやすい。私が基本講座の講師を務める、全肥商連認可の「施肥技術マイスター制度」の合格者は「土づくり専門家」として農水省のホームページにお名前が掲載される。私の場合もこうした日頃の交流が大きく影響していたと考えられる。
https://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/tuti_list.html
特筆したいのは、私が説明をした後、担当してくれた方に別れ際、「硝酸イオンの健康効果については、日本土壌肥料学会でシンポジウムを開催して広報しておいてください」といわれた。学会でも新しい内容であり、シンポジウムの開催も許可された。
その結果は『肥料の夜明け 肥料・ミネラルと人の健康』の書名で化学工業日報社から出版され(2018年 9 月 18 日発行)、現在も販売されている。

亜鉛欠乏を補う
亜鉛が種々の病気に効果があることが、数少ない日本各地の医師たちの診療活躍でわかってきた。例えば、長野県東御市温泉診療所の倉澤隆平先生は、高齢者の食欲不振、口内炎、拒食症、褥瘡(床ずれ)なども亜鉛投与(薬剤として胃潰瘍の薬:プロマックを使用)で治癒可能であることを 2002 年に発見された。NHKの「ためしてガッテン」でも放映されたこともあり、多くの方々が知っておられる(NHK ではプロマックは商品名のため、放送では言わなかった)。
しかし、現実はそう甘くはない。伝え聞いたところでは、褥瘡学会は亜鉛は無視し、患者さんの体位変換が最も効果の高い治療方法として、倉澤先生の講演はご存じのはずだが、亜鉛投与はなかなか普及しないそうである。権威主義の医学界では地方の温泉診療所の医師では権威がないと考えているためかとも想像する。
また、名古屋の愛星クリニックの有沢祥子先生はアトピー性皮膚炎が亜鉛投与で治癒する事をかなり昔に発見され、主婦の友社より 2002(平成 14)年『アトピーが消えた、亜鉛で直った』が出版されているのでご存じの人々も多いと思われる。
しかし、医師の有沢祥子先生にとってはそう簡単ではない。サプリメントだと、保険点数として認められない。自費診療として患者さんからサプリメント代をいただくしかなく、保険診療を主とした医師としての仕事ではなくなることが、有沢祥子先生にとっては悩ましいところでは、と筆者は想像する。
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